演奏審査における評価要素とは

コンクール会場において、自分なりのなんちゃって審査をしている人は多いと思う。コンクールの最初から最後まで通して聴くような好事家がなんちゃって審査をしてても当然であるが、我が子の演奏までの数団体や我が子の演奏から表彰式までをついでに聴いてみようかいという保護者もいて、聴きさえすれば「○○はうまかったねえ」程度のコメントくらいはしてるので、それぞれの状況や範囲や基準でそれなりのウマヘタ判定程度は行っているはずだ。まあそうでもしないと場が持たないというか、同じ曲ばっかり聴かされるのは退屈だしな。

某掲示板にアンコンの評価要素が載ってたから転載。
1.アンコン公式評価要素(講評用紙の項目)

今回のアンコンでは、ある審査員が個人的に講評用紙を持ち込んで評価したらしい。それが以下。

2.アンコン非公式評価要素(講評用紙の項目)(各項目 A〜Dで)

  • 演奏技術
    • ミス
    • 難しいパッセージ
    • 音の安定感
    • アタック(発音)
    • 狭い跳躍
    • 広い跳躍
    • ダイナミクスレンジ
    • リズムの性格さ
    • 音尾の処理
    • ビブラート
    • 完成度
    • アンサンブル
  • 音楽性
    • 感明度
    • インパク
    • のり
    • 思いきり
    • 歌のセンス
    • 音楽の流れ
    • 全体構成
    • 空間性
    • オーラ(あるかないかの二択)
  • イントネーション
    • 音階
    • 跳躍
    • 調性感
  • 音色
    • 明るさ
    • 柔らかさ
    • 響き
    • 倍音
    • 色彩感


大分類1.をより細分化した項目が小分類2.って感じかな。音楽の構成要素=リズム・メロディー・ハーモニーを踏まえたときに優劣の判断材料となるべき項目は自ずと決まってくるはずなんで特に瞠目すべき点はないのだが、実際に言葉にするとこんなふうになるのかーと2.を見て思った。審査をされる側の子どもたちに、1.という要素は具体的にどういうものが含まれているかを理解させるときに2.を見せてやったらアホの子にも伝わりやすくていいのでは。

個人的には、技術の上に音楽性が構築されると考えているので、若いうちには基礎練習をガッツリやってとにかく基本技術を習得することをおすすめする。自分の中に存在する音楽を他人に伝えるためには、まずは正確で確実な技術が必要だと思うからだ。たとえその演奏者に豊かな音楽性があったとしても技術がないと聞き手には伝わってこないよ。そもそも他人に伝えるほどの音楽性があるのかよって話だけど、まあそれは置いといて、技術面は才能や素質の寡多に関わらず(時間は多めにかかるけど)努力だけでもある程度なんとかなるものだしな。

話は変わるけど、コンクールは審査員が審査する各賞とは別に、観客の投票で決める「観客賞」というのがあればおもしろいのにと思った。

  • 入場するときに1名に1枚観客審査投票権を渡す
  • 観客はその日聴いたなかで一番よかったと思う団体を投票
  • 得票数が一番多い団体が「観客賞」
  • もちろん組織票もあってよし
  • こういうやり方だと関係者が会場に来やすい開催地の団体が有利になるが、開催地団体が得票数一位だった場合は「ベスト○○(地元名)賞」とする
  • たとえば今回のアンコン佐賀大会で佐賀県所属団体が得票数一位だったら「ベスト佐賀賞」となる。うは、欲しくねええw

…なーんて、こないだローザンヌバレエの結果ニュースを見て思いついただけ〜(ノ∀`)。でも、集計が表彰式までにやれないこともないだろうし、観客も審査に参加できるようになれば聴き方も変わってきそう。当日一番の拍手で会場を沸かせたけれど代表にはなれませんでしたという、審査員評価と観衆受けが異なった結果が出たときには有効だと思う。