第24回福岡県吹奏楽コンクール 中学校の部 感想

噂には聞いていたけど驚いたぜ、厚生年金会館。なんだこのホールは。いつも通りの演奏がいつも通りに聞こえてこないんだぜ!

前半の出番ひと桁くらいまではとにかくホールが鳴ってくれない印象だった。というか、鳴らなくていいところが鳴ってくれてて、とにかく打楽器が浮く浮く。審査員席至近に座っていたのだが、これだけ打楽器の音が生々しく聞こえてしまったのは人生で初めてというくらいに打楽器音が拾えてしまって酔いそうになった。
トライアングル・シンバル・グロッケンみたいな金物楽器は無造作に叩くと致命的な鳴りになるし(下手にあるパイプオルガンのパイプ群の影響もあるのか?)、シロホンも響きを踏まえて叩かないと浮きまくるし(ブライアンのトリオ前に駆け上がっていくところなんかバカ強打するとバランス即死)、とくに鍵盤類はマレットを落としてそこで止めちゃう叩きっぱなしのワニワニパニック打法だと聞くに堪えないバカ音に。かといって遠慮しすぎると聞こえねええええ。後半はもうとにかく音出しとけ(゚Д゚)ゴルァ!の出したもん勝ち状態で、結果なんだか大味に。

いろいろあるだろうけど出ちゃった結果は仕方ないのでしっかり受け止めるべき。審査員とかホールのせいにしないでな。結果を聞いて泣くくらいなら練習で泣いておけ。それくらい練習を重ねて信じる音楽を信じたとおりに演奏できたのなら、結果はどうでもひとまず納得できるものだ。そして次の大会やステージに活かせる糧にしてもらいたい。音楽やらの芸術関係に一旦足を突っ込んだらゴールなんてないんだからさ〜。でもまあひとまずはおつかれさま。

いつもは出演順ですが今回はちょっと違う順に並べてみたよという素人感想は以下。

中間東

打楽器が出しゃばらず、でもきちんと聞こえてくるという、管とのバランスが本日一番上手にとれてた団体だったと思う。

厚生年金で一番映える吹き方を熟知しているんだろうなあという貫禄の演奏。個人的に上品とか優雅とかいうイメージを持っているんだけどサンパレスで聞くと違和感があって、でも厚生年金で聞くとイメージ通りでしっくりくる。自由曲が良かった。

志摩

少人数(22人)で持ち替えがすごいと聞いていたが本当にすごくて、可能性と限界への挑戦。少人数の団体に必要なのはまずは与えられた音符をきちんと吹くという責任感なのでしょう。それさえあれば自然と技術も向上していくという好例。このパズルのような楽器配置と担当を考えた指導者もすごいなあと。

宇美東

自由曲は丁寧に吹きこなしていて好演。アンコン全国出場が自信になってるのかな。余談ですが課題曲IIIを演奏しているときの客席は非常に落ち着きがなくなってごそごそしてくるのです。わかりにくい曲だから自然とそうなるのかもしれませんが、耳を傾けていればわからないなりに道筋が見えてくるものですよ。

======ここに壁=======

二瀬

チャレンジドな楽器配置でかなり雑然と聞えてきたのだが結果は金代表、しかも高評価で驚いた。feat.打楽器な選曲なのがよかったのかも。

姪浜

だいすき!事前予想では鉄板呼ばわりしてごめんなさいね〜(´∀`)、結果は驚きの6位抜けで全然鉄板じゃなかったですもんね〜(´∀`)、ちなみに鉄板って堅いとか確実という意味なんで褒め言葉なんですよ〜(´∀`)、休み無しで口や手が痛くなるまで毎日練習してがんばっていたことを審査員が評価してくれなかったのかもしれませんね〜(´∀`)
とまあ冗談はおいといて、爆音が爆音に聞こえにくそうなホールなんで相性がよさそうに思ったのだが、このバンドの硬質な音がこのホールでは鋭角的に聞こえすぎたため低評価だったのかなと。打楽器、とくに課題曲の鍵盤で管とのバランス調整・響かせ方・音作りが必要だと感じました、だいすき!

高須

吹いたもん勝ちということで見事勝利。

平野

去年は「マゼラン」今年は「自由の女神」で樽屋シリーズなんですね。このホール的にはもっとガンガンに吹いたらもっとよい色だったかもしれません。

菅生

股ぐらをバカーっと広げたりスカートを膝上までまくり上げたりで足下が小汚い下品な団体が多い中、ここの出演者は男女とも全員が片足をひいて片足を前に伸ばして座り、スカートも膝をきちんと隠して統一感があり非常に美しかった。見た目がいいと好感度が高いです。代表選出は意外でしたが。

銀賞団体

バカスカ吹かないとこは全部銀でしたーみたいな。繊細な表現を目指した団体は出落ち状態、特に前半組はこぢんまりと聞こえてしまった。後半組(というか志摩より後ろ。志摩の演奏を挟んで風向きが変わったと思う)は前半を聞いてある程度修正できたはずだが、それでもなお打楽器の音に無頓着な団体がいるわけで。

課題曲IV

各校いろんな解釈があって聞き比べはおもしろかった。表現の幅を一番持てる曲かなと。難しそうだけど。

見学厨房

全出演団体の感想書きなさいプリントを持った出演者章ナシのご近所団体が何校も見学していて、勉強熱心でよいこととは思うのだが、演奏中に感想をコソコソ言い合いながら書き込むのはやめてほしかった。全団体通しだと集中力が続きそうにないので、午前必須・午後は希望者のみにするというのはどうでしょう。聞く気がある子はマナーもよいはずだし、午後は座席も不足がちだしね。

出演者のタオル持ち込み

ひな壇の金管ほぼ全員がタオルを膝の上にのせて演奏していた出演団体がいて非常に驚いた。これはマナー的にどうなんだろう?5-6本いたHrのタオルは全員色違いで1番から順に派手なグラデーションになってたのでパートで揃えてるっぽく、これまで気付かなかったけどこういうことは前から行われていたのか?他にやってる団体を見たことがない気がするし、神聖なるコンクールの舞台上に演奏に必要のないものは持ち込むなと習った身からすると、個人的にもありえない行為なのだが。
実際に頻繁に使っているわけでもなさそうだし単にライナスの毛布的なお守り代わりにしているんだとしたら、見た目が非常に悪いのでやめた方がいいのではないかと思った。どうしても必要なら客席に見えにくい椅子の後ろ側やポケットの中に忍ばせておけばいいのでは?

九州大会への展望

音と表現が豊かに聞こえた壁から上くらいかな。ホームの沼にはがんばってもらいたい。今回不本意な成績だった代表団体も、九州大会に向けて調整して再チャレンジを。でも自分たちらしさは失わないような演奏をしてもらいたい。
福岡県予選の銀代表2という厳しい結果だけを見て、鹿児島県予選と比べるとレベルが低い説を唱えられても同じホール・同じ審査員じゃない限り比較しようがないし、なにしろ厚生年金だったからなあ。個人的に鹿児島・沖縄の音作りは好きなので、九州大会ではホールにやられちゃわないように万全の体勢でお願いしたいですよ。

第24回福岡県吹奏楽コンクール 中学校の部

  • 日時:平成20年8月5日(火) 10:00より
  • 会場:九州厚生年金会館

http://www.kita9-ba.jp/90info/2008/08/20080805.html

  1. 金◎高須 II ハンガリー民謡「くじゃく」による変奏曲(Z.コダーイ森田一浩)
  2. 銀 長尾 II 呪文と踊り(J.B.チャンス)指揮:井手憲一
  3. 銅 直方第二 I 春の猟犬(A.リード)指揮:山下恵美子
  4. 銀 長丘 I バレエ音楽「青銅の騎士」より(R.グリエール/仲田守)指揮:流田恵子
  5. 銀 門司学園 IV 交響的詩曲「走れメロス」(福島弘和)指揮:中嶋恭子
  6. 金◎姪浜 II 「ペーガンダンス」よりII、III(J.バーンズ)指揮:下岸礼
  7. 銀 岡垣 IV 「マメールロワ」より(M.ラヴェル)指揮:大場豊輝
  8. 銀 学業院 IV 斑鳩の空(櫛田月失之扶)指揮:永利幸一朗
  9. 銀◎菅生 I 青い水平線(F.チェザリーニ)指揮:渡部裕介
  10. 金◎志摩 III 「ペーガンダンス」よりII、III(J.バーンズ)指揮:水島麻恵
  11. 金◎中間東 II 喜歌劇「ロシアの皇太子」セレクション(F.レハール/鈴木英史)指揮:掛橋賢議
  12. 銀 柏原 II 歌劇「イーゴリ公」よりダッタン人の踊り(A.P.ボロディン/黒川圭一)指揮:吉江邦光
  13. 金◎沼 IV 闇の中のひとすじの光(D.ギリングハム)指揮:皿本尚嗣
  14. 金◎宇美東 III 朝鮮民謡の主題による変奏曲(J.B.チャンス)指揮:南光俊
  15. 銅 芦屋 I ミュージカル「ミス・サイゴン」より(C.M.シェーンベルグ)指揮:菅原宏
  16. 銀 香椎第三 IV 喜歌劇「メリー・ウィドウ」セレクション(F.レハール/鈴木英史)指揮:久保田留美
  17. 銀 若松 I ウィズ・ハート・アンド・ヴォイスヴォイス(D.ギリングハム)指揮:高橋愛
  18. 銀◎平野 II 民衆を導く自由の女神(樽屋雅徳)指揮:東奈央子
  19. 金◎二瀬 IV 伝説のアイルランド(R.W.スミス)指揮:福島正純
  20. 銅 古賀東 I 山の威容(D.シェイファー)指揮:市場惠美子
  21. 銀 大谷 I 祝典序曲「祈りは時の流れに輝く」(福島弘和)指揮:河野道明