ブラスト2:MIX [blast2 MIX MUSIC IN X-TREME]


大勢で見に来たらオマエラのチケット安くしてやんよwというお誘いがあったので「blast2 MIX MUSIC IN X-TREME] 」を団体鑑賞してきたよ。

ブラストは今回が初見なのだが、もっとマーチングバンドっぽい音と演出なのかと思ったらそうでもなく、相当嘘っぽい音のシンセドラムとPAで結構いじってそうなブラス音のため、あまり生音らしく聞こえず、作り込みすぎて迫力に欠ける印象の音。通路に降りて演奏しているときに確認したら本当に吹いてたけどさ。

ブラスの人、パーカスの人、ダンスの人と一応担当はあるようだが、ブラスの人も踊れるし叩けるし、楽器の持ち替えも金管木管なんてのを普通にやって、ほとんどのキャストは兼業。メインの人はFlとTub持ち替えてて驚いたのだが、体格がよすぎてTubがEupに見えるわけでむしろそっちに驚いた。ブラスの人たちの演奏しながらの動きはさすがで、顔が正面で身体が横向きで横移動していくとき(キティちゃんみたいな体勢)、後ろに下がるときのステップがスムースだなあと。音はすごく明るくて軽い。まあPA入ってるけどね。Tpのソロパートをガンガンに吹いてたキャストは超ハイトーンなのに力みもなくて、だからこそもっと生々しい音で聞きたかったなあと。

ダンスの人たちは頭が小さいので頭身からの身長が推定できないけど、たぶん相当な高身長で見た目よく、バトン、リボン、フラッグ、とにかくなんでもできる。なかでもライフルと重心が似ていそうな、ライフル派生系っぽい手具が多種多様に登場してきて、自分的にはこれまで観戦したマーチングでライフル演技というのはほとんど見たことがなかったので新たな魅力発見ってところ。あ、観たことありました、自衛隊のファンシードリルで。あれはライフルといっても本物なので最後にドカーンと空砲撃つんですが。

唯一の日本人キャストとしてダンサーに混じり、バトントワリングを披露していた本庄千穂さんは他のキャストと比べると格段に小柄でひとりリリパット状態なのだが、バトンテクニックはさすが世界チャンピヨーンの貫禄で、バトンをガツーンと放り上げても回転が速いうえ軸がぶれないので美しく安定感があり、まったく落とす気がしない。彼女は地元・精華女子高の卒業生ということで、制服姿の後輩ちゃんたちがバトンをキャッチするたびにキャーと声援を送っていた。精華の中のバトンの人はマーチングのドラムメジャーも含めて、バトンを投げても絶対に落とさない気がするくらいに安定感があって、その域に到達するまで練習を積み重ねていくという伝統が受け継がれているのかなと思ったり。

休憩に入った途端、観客がダッシュでロビーに向かっていたのでなんかあるのかなーと思ったら、ホールロビーでキャストが「When The Saints Go Marching In」をプチ演奏。撮影を禁止されなかったので、お客さんもケータイで撮影。やっぱりこういう生音のほうがいいッスよ、絶対。

やはり客としては「ブラスト」に対して、ブラスがバリバリに吹いてパーカスがガンガンに叩いてダンサーがブンブン投げまくるような超マーチング的な演技や演奏を、最高級なかたちで求めたいのだ。別にダンスだけ演奏だけならそっちが本業の公演を観た方がもっと上質なものを観ることができるわけで「ブラスト」で観る必要はない。音をスカぶっても、音質がヘボくても、生で、ライブで見せてもらいたい。なので、今回の演出の方向と、観客が「ブラスト」に求めるものはちょっと違っていたのではないかと思う。

エンディングがあっさりめで観客にスタンディングオベーションをさせてくれる余地もなく、盛り上がりに欠け尻切れたような雰囲気で閉幕。終演後もホールロビーでキャストがなんかやってたみたいで、厨房はそういうのがうれしくってチビッコなんかはすっ飛んでいってたが、そういうのにまったく興味がない身としては早く退場させろよスタッフゥ〜!的なイベントなだけ。公演自体もおもしろくないこともなかったけれどあまり高揚感もなく、定価でチケット購入してたら金がもったいなかったよなあ割引してもらえてよかった(´∀`)と感じた、不完全燃焼感のある微妙な公演でありました。

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