福岡県立北筑高等学校吹奏楽部 全国大会出場記念演奏会

今年度は吹連(ジャージのほう)とM協(衣装を着て旗を振るほう)と二つのマーチング団体の全国大会へ出場した北筑高吹奏楽部。資金集めの出場記念演奏会も昼夜2回公演と気合いが入ります。自分は客演団体が多い夜の部へ寄せていただきましたが、近隣の中学はもとより、遠方からも志徳や企救などマーチング中学さんも観覧に来るなど、なかなかの盛況ぶりでした。

校長先生挨拶では「公立高で全国出場している団体は少なく、うち以外は全部千葉県団体なんですよ」とドヤ顔で豆知識を披露、いやいや千葉県公立団体って市柏・市船習志野ですよ!実力も知名度もダントツ違いますやん!というツッコミ待ちをするも観客からは総スルーされるドMぶりを見せてくれました。

そして今年は毎回ここでアピールしている切なる願いを吹奏楽の神様が聞き届けてくれたのか、「チューナー貸しましょうか!」「中音域さん、スワブが管に詰まったままですよ!」と観覧席から走って伝えたくてもどかしくなりまくりの座奏抜きの公演!やったね!!耳は守られた!

そのかわりガードショー、バッテリーショーと専門パートさんの単独ショーを行い、転換の合間は部員さんたちによるマーチング講座で繋ぎ、ガード子さんの手具練習実演、吹連とM協のマーチングのルールの違いなどを説明、いろいろ勉強になりました。

とりあえず素人感想。手元にパンフがないのでショータイトルは後で追加します。

木屋瀬

吹連マーチング初全国で金賞獲得したとの紹介でしたが、音も動きもよくもまあこれで全国出場&金賞貰えたよなあという出来でした。1か月も前の出来事だから忘れちゃったんでしょうね。編成にObやFgが入ってましたけど、特にFgの音は効果的に聞こえてきて、せっかくマーチングにダブルリードを入れるならこういう使い方をするべきですよね。そこはいい感じでした。

香月

少ないバンド人数でがんばってはいるものの、あきらかにTpが弱いのが気になりました。もう1本増やせればいいのかもしれませんが、音に勢いがなく音圧も弱いのでどうあがいたところで難しい気もします。せめて、もっと自信を持って吹ければ与える印象は違うと思いますのでがんばって。プロップ関係はちょっと過剰でごちゃごちゃしすぎのような。ガード子さんが3人いましたがどの子もスタイルがよく、上手いなあと。エンディングが締まらない印象なので、Closed→ゆっくり一礼すると落ち着くと思います。

北筑

ダンテ「神曲」をテーマに持ってきた今回のショーはストーリー性がはっきりしていて、ここ数年で一番好印象。「神曲」なので地獄篇、煉獄篇、天国篇という場面を、フラッグやガード演技・衣装でも暗→明と変化させ、ストーリーの流れを視覚的にもわかりやすく表現。個人的には宗教モチーフをエンタメ界に持ってくることには賛同しかねるのですが、各場面に十字架アイコンたくさん登場してました。エヴァの墓参りシーン的なw

気になった点。以前見たときも思ったのですが、冒頭のネズミ男ことダンテさんのフード&マント丈の頭身バランスが非常に悪くて、今の中の人の身長だと裾が短すぎますね。布買う金がなかったのかよと。もっと丈を伸ばしてずるずるだらだらひきずらせるか、裾をぼろぼろカットにするか。あのガード子さんの大きな動きを目立たせるならおひきずりより裾ボロですかねー。中の人を一番背の低いガード子さんにチェンジして両側の背高ブラスとの格差を際立たせるのも人間の矮小さがでてよかったかもです。

そして、やっぱり毎度音楽的なところで一番引っかかりますが、Saxソロが2回あったけど、ストーリーの流れとして1回目と2回目では同じようなフレーズでも違う表情をつけてないとおかしくないか?2回とも同じ調子で吹いてたらせっかく作ってる流れが遮られ、1回目まで引き戻されてしまいますが。Tpトリオは堂々と吹いてましたが、ハーモニーなのかユニゾンなのかズットズレテルズでよくわからんです。

ときどきびっくりするようなアホな音が丸出しになる場面があって、まあ中音域なんですけど、なに考えてんだと。おまえがなにも考えずに出してる無神経な音が一瞬で全体をぶちこわしにするということがわかってないんでしょうね。本当にここのバンドの人たちは、いつになったら自分の音に対して責任を持ち、真摯に向き合うのかなあ。動き、バッテリー、ガードでは初心者だろうと高いレベルまでやれてるのに、なぜ音だけやらないのか。意識の持ち方ひとつで激変するんですけど、本当にやらないのがもったいない。君らがモチーフにしてる「神曲」でも七つの大罪で怠惰は罪って言われてますやん。

もし音に対する意識改革をやるとしたら、これまで少数ながらも供給が続いていた学区内の良質音源中学団体が消失してしまった今、その最終世代が存在する現1-2年生在校中にやっとかないと10年単位で自主改善の可能性がなくなるわけでなあ。もしくは音に対する意識の高い豪腕指導者が赴任する奇跡を待つか、ですね。でもまあ本人たちがやる気ないなら仕方ないですわ。

近くの席に座ってたおばちゃんたちは終始、迫力あるわねーすごいわねーと感心しながら見てて、いいなあ、おばちゃんたちみたいにピュアピュアな気持ちで見たり聞いたりしたいよなあと思いました。これは七つの大罪のうちの傲慢ですね☆彡

というわけで、どちらさまも本番がんばってください!