福岡県立小倉高等学校吹奏楽部 第16回定期演奏会

九州大会直前のこんな時期に開催して大丈夫なのかと他人事ながら心配になるが、毎年お盆前恒例の定演。県下有数の進学校で普段から練習時間も短いだろうに、頭のいい人たちは何をやるにしても効率がいいんだろうね。あやかりたいです。

オープニングは「ラザロの復活」。さすがの美しい音色で、ほほうと感心。続いては客演奏者を招いての「トランペット協奏曲」(A・リード)なのだが、このゲスト奏者は本番前に何回さらってきてたんだよ!本当に練習してきたのか?というくらいにクオリティが低く、勢いもやる気もまったく感じられない糞ソロをかぶせてきたせいで超退屈な協奏曲になってしまった。あまりのアレさにツレのラッパもぐーぐー寝てますが(寝るな)。こんな客演をされるくらいなら、ちょっと気の利いたOBでも連れてきて演奏させた方がよかったのでは?

第二部はポップスステージ。「篤姫」はともかく「ディープパープルメドレー」を今年度演奏する学校が非常に多い件について。おとといも同じ曲をやってたし。一昨年の定演ではもっとはじけていた記憶があるのだが、今年は衣装や演出も演奏も全体的におとなしめ。まあ仕方ないか。Tubがサングラス掛けて演奏してたけど、ベルに隠れてまったく気付きませんでした。ごめんよ。

第三部は「フニクリ・フニクラ狂詩曲」とコンクール曲。定演の一番最後にコンクール曲を持ってきたプログラムの並びは、来週このホールで行われる九州大会に出場するこのバンドの気合いの表れであり、九州大会と同じホールでのコンクール曲演奏ということで期待して聞いたのだが、うーん。課題曲IIIはもっと硬質で攻撃的で鋭角的に、反対に自由曲はもっと大きく情感豊かに歌えば、いろんな意味でメリハリが利いて幅が広がるような気が。全然響かないと評判の低音はうまく響いていたような、そこはホームアドバンテージなのかな。とにかく、九州大会では地元代表としてぜひともがんばってもらいたい。期待と応援してますよ!

この演奏会では幕間に15分間・20分間と長めの休憩を取っていたが、最初の休憩時間にはクラリネット五重奏、次の休憩時間には男声独唱とお客さまを飽きさせない演出あり。アナウンスで「○○による独唱を行います」と紹介されたときは「独唱〜〜!?」と場内爆笑したのだが、いざ○○くんが登場して歌い始めると「カルメン」の闘牛士の歌(←たぶん)を原語(←たぶん)でと超本格的なオペラのアリア的独唱なんでびっくり。2曲目はやはりお約束の「千の風になって」でしたが、ここは笑わせ所としてきちんと落とすべきではなかったかと、はい。

ちなみに客席もまじめというか上品めというか、部員の親も座っていたはずなのだが「保護者オーラ」がまったくなく、年配の方は「おじいさま、おばあさま」という雰囲気をお持ちだし、ギャーギャーワーワーいってる学生もクソガキも皆無だし、みなさん非常に鑑賞マナーがよろしい。この客層と品性の違いはどこからきているんだろう?所属階層?偏差値?脳の作り?お金持ちの余裕?すみません、自分みたいなチンピラ客が混じってて(ノ∀`)
もうちょっと拍手してやれよー盛り上がってやれよー!と客席がおとなしすぎる場面もありましたが、このバンドの良い音をじっくり聴きましょうという観客の気持ちがホール全体にゆったりと流れる、よい演奏会でした。

  • 日時:8月12日(火)開場18:00、開演18:30
  • 料金:一般/1000円、高校生以下/500円
  • 会場:九州厚生年金会館(北九州市小倉北区