福岡第一高等学校吹奏楽部 第18回定期演奏会

会場はアクロス福岡のシンフォニーホールという残響がアホのごとあるすごくいいホール。ここの吹奏楽部は毎シーズンの最初と最後がこのホールでの演奏なんだそうで、なんともうらやましいことである。

第一部クラシックステージ

モーツァルト/「魔笛」序曲、ベルリオーズ/「幻想交響曲」より第五楽章、ムソルグスキー/「展覧会の絵」。
最初の曲が始まった途端、そこらへんのうんこホールの音しか知らないど素人の耳がたまげるくらいの残響にびっくり。しかもこんだけ残響がいいのに最後の音が消える前に拍手しちゃうバカ観客がいることにまたびっくり。最後の音がホールの空気にとけていく、あの瞬間がすばらしくいいのにもったいない!指揮の先生も残響をうまいこと計算して指揮をしててさすがだなと。
「幻想」は今年のコンクール自由曲。実は自分が吹奏楽部に入部した年の自由曲がまさにこの曲で、流行がひとまわりして最近また演奏されるようになったこの曲を聞くために今回こちらの定演を聴きに来たのである。とはいっても当時は実際に演奏したわけではなく、コンクールメンバーが合奏してるのをボケーッと脇で聴いてただけなんすけどね。ただ、暇な合奏見学中、毎回チャイムの数を数えたり自分が担当になったつもりで脳内チャイムを叩いてたりしてたのでチャイムだけはガチ。遠くの鐘の音も近くの音もfもpも完璧に暗譜で叩きわけることができるね!いや、叩いたことないんだけどよ。ヤク中のオッサンの書いたキモい楽曲にしては、さわやかで元気な演奏だったかなーと。
展覧会の絵」は曲が長すぎたのか、後半部分では客席が飽きちゃってた。あえて全曲やることにこだわったのかもしれないが、おいしい部分だけの抜粋でもよかったのでは。「古城」のSaxソロよかった。

第二部合唱

「心の瞳」「Hail Holy Queen」他。
NHKのコンクール番組で見かけるような合唱部の合唱はイっちゃってる顔しながら自分に酔いしれて歌ってるから見てると居心地悪くなってくるのだが、吹奏楽部の合唱だからなのか、そこまでしつこくなくあっさりめでよい感じ。過去この「天使にラブソングを」だっけ、ウーピーの映画に登場したゴスペルに挑戦して玉砕した合唱ばかりを見せられてきたが、初めてすべらなかった合唱が吹奏楽部の合唱だなんて。吹奏楽の演奏会に来ながら申し訳ないけど、正直この合唱の部で一番感動してしまった。

第三部吹奏楽曲とかポップスとかいろいろ

アルメニアンダンスPARTI」「ルパン三世」演歌とかディズニーのメドレーとか。
プリンセス大集合でも中身は男子部員とかベタな寸劇もあって、個人的には「アラジン」でステージ奥を魔法のじゅうたんに乗って飛んでるときのものすごく風に吹かれてるジャスミン(小太り)の仕草に超ウケた。そんなアホなことやりつつも3年生のソロを聴くとやっぱり上手い。

演奏とは全然関係ないところで、田舎の演芸大会を仕切ってるような喋りのおばちゃん司会者にものすごくイラついた。司会側が最初から答えを用意してて単に確認のためだけに部員にインタビューすることに意味があるのか、そんな誘導見え見えのインタビューを客が面白く感じると思っているのか。敬語の使い方にしても謙譲してるのか尊敬してるのか主客が定まっておらず違和感を感じっぱなし。たぶんプロなんだろうけど。

というわけで、曲の解釈などが自分の好みとは違っていたのでそこまでピンポイントの大感動というのはなかったけど、ひとりひとりの音は癖がなく素直で当然技術もあってさすがトップクラスの学校だなあと。

入場料1000円。